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人物・文献情報データベースWHOPLUSの“人物”をテーマにしたブログです!
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【2】知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第33回)   坂本あおい
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王子たちよ、王になれ

昨今はちょっとした王子ブーム。才能のあるキレイな青年を見るのは無条件に
楽しいものですネ。ところで、かつての日本大食い界にも人気をほこった王子
がいた。今ではNYのホットドッグ早食いでおなじみの、小林尊さんだ。彼は端
整な顔立ちと天賦の才能で、テレビ界にあらわれると同時に〈プリンス〉と呼
ばれるようになる。
あのときの衝撃たるや!美青年というより美少年風の小林氏が、それまで世間
を驚かせてきた花形選手たちを、リズミカルかつ破壊的な食いっぷりで、いき
なりやぶってしまったのだ。

大食い番組には反対派も多かった。人が苦しそうに食べるさまを見て、何が楽
しいのか? ごもっとも。でも格闘技的興奮、人間の身体の限界を見る驚き、
なぜここまでするのかという疑問―なんだかよくわからないけど、魅力がある
のも事実だった。やがて人気企画は他局に飛び火し、派手な演出とその後あら
われた個性的な選手のおかげもあって、ファン層はさらに拡大する。
が、ある事故をきっかけに、各局はこうした番組を一斉に自粛。燃えあがった
日本のフードバトルの火は、ファンの心に興奮の熱を残したまま消えることに
なる。

けれどその時期、〈プリンス〉はすでに世界を見ていた。2001年のNYのホット
ドッグ大会でブッチギリで優勝したのを皮切りに、日本が自粛の時代に入った
あとも、アメリカの熊と対戦したり、コンテストで連勝したりしながら競技界
を大いに盛り立て、いつしか世界が認める王者として頂点に君臨していた。こ
こ数年の各種の記事によれば、コビヤ~シは食べ物競技界の革命児であり牽引
役であり、スターであり、英雄であり、生きた伝説だという。もはや〈プリン
ス〉の称号など用はない。

以前、西洋と日本の神話伝説を比較する小論を読んだことがある。西洋の話か
らは、王子が困難と冒険の末みずから王となる父性型の特徴が読み取れるのに
対し、たとえば日本のスサノオは、せっかく大蛇を退治して剣を手に入れたの
に、それをアマテラスオオミカミに献上してふたたび母性のなかに吸収される。
この論をなぞるとすれば、ただ強いだけはでなく、新たな地平を切り拓いて王
として君臨したコバヤシは、(ヤマトタケルからとった本人の名前を別にすれ
ば)やはり西洋型か?英雄が大好きなアメリカ人に英雄として認められたのも
うなずける気がする。

◎ 小林 尊(フードファイター )
昭和53年生まれ
平成12年テレビ東京「TVチャンピオン」の大食い選手権で優勝したことから、
13年ニューヨークで開かれた全米ホットドッグ早食い世界大会に出場。173セ
ンチ、60キロの華奢な体格ながら、最高記録を大きく上回り、優勝を飾る。そ
の後、テレビの大食い番組で活躍、フード・ファイターとして日頃からスポー
ツ選手同様のトレーニングを積む。18年全米ホットドッグ早食い世界大会で6
連覇。数々の世界記録を持ち、"The Tsunami"のニックネームで呼ばれる。現
在の体重は75キロ
(データベース「WHOPLUS」より)

ところで彼のプロフィールデータはこの7月で更新されて、経歴には「7連覇
ならず」の残念な一文が加わってしまった。けれどまだ20代の強く美しき王
は、きっとまた何かを見せてくれるだろう。Go, Kobayashi! Go!

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