人物・文献情報データベースWHOPLUSの“人物”をテーマにしたブログです!
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<集中連載> WHOPLUS☆そもさん・せっぱ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そもさん、せっぱといえば、一休さんでおなじみの“とんち問答”の決ま
り文句であるが、メルマガという限られたスペースで、WHOPLUSの
すべてを皆様にお伝えするには、この「そもさんせっぱ方式」がいいかと
個人的に考えた(夏)です。
せっぱを漢字で書くと「説破(議論をして相手を言い負かすこと)」にな
るあたり、ちょっとニュアンスが違うかという気がしなくもないが、要す
るにQ&A形式ということです。ご理解くださいませ。
それでは、さっそく、そもさん・せっぱ!
【そ】WHOPLUSってどうすれば使えるの?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【せ】いつもどおり https://who.nichigai.co.jp/ に接続すればOKです。
4月1日以降、[WebWHO]が、[WebWHOPLUS]に自動
的に切り替わります。
【そ】WHOPLUSの「プラス」って、何か追加されたってこと?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【せ】その通りです。日外アソシエーツが、すでに書籍やCD-ROMと
して出版している人物関係の情報源をプラスしました。
-追加されるコンテンツの画面サンプルなどは、以下のURLで本
日から公開しています。
[WHOPLUSを使ってみよう!]
http://www.nichigai.co.jp/database/who-guide.html
【そ】ところで、これまでのWHOはどうなっちゃうの?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【せ】これまでどおり検索できます。「WHO+人物コンテンツ」で横断
検索するか、「WHO」だけで検索するか・・・はじめに検索対象を選
んでからサーチします。
この場で取り上げてほしい「そもさん」がありましたら、お寄せください。
採用された方には、記念品を差し上げます(本当)。
<集中連載> WHOPLUS☆そもさん・せっぱ
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そもさん、せっぱといえば、一休さんでおなじみの“とんち問答”の決ま
り文句であるが、メルマガという限られたスペースで、WHOPLUSの
すべてを皆様にお伝えするには、この「そもさんせっぱ方式」がいいかと
個人的に考えた(夏)です。
せっぱを漢字で書くと「説破(議論をして相手を言い負かすこと)」にな
るあたり、ちょっとニュアンスが違うかという気がしなくもないが、要す
るにQ&A形式ということです。ご理解くださいませ。
それでは、さっそく、そもさん・せっぱ!
【そ】WHOPLUSってどうすれば使えるの?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【せ】いつもどおり https://who.nichigai.co.jp/ に接続すればOKです。
4月1日以降、[WebWHO]が、[WebWHOPLUS]に自動
的に切り替わります。
【そ】WHOPLUSの「プラス」って、何か追加されたってこと?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【せ】その通りです。日外アソシエーツが、すでに書籍やCD-ROMと
して出版している人物関係の情報源をプラスしました。
-追加されるコンテンツの画面サンプルなどは、以下のURLで本
日から公開しています。
[WHOPLUSを使ってみよう!]
http://www.nichigai.co.jp/database/who-guide.html
【そ】ところで、これまでのWHOはどうなっちゃうの?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【せ】これまでどおり検索できます。「WHO+人物コンテンツ」で横断
検索するか、「WHO」だけで検索するか・・・はじめに検索対象を選
んでからサーチします。
この場で取り上げてほしい「そもさん」がありましたら、お寄せください。
採用された方には、記念品を差し上げます(本当)。
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■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第6回) 坂本あおい
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『この一冊にくびったけ』
古今東西、一番のベストセラーは聖書だといわれる。ミッションスクール
に通っていたわたしの手元には、数えてみると3冊もあった。学校を離れて
からも、意外と聖書の出番は多い。英米の文学には、うっかりすると聖書の
引用が潜んでいるので、元になった話や句を確かめる機会がけっこうあるの
だ。
この本(Bibleは単に本という意味らしい)は読んでみると案外おも
しろい。
特に旧約聖書には、びっくりするような記述がつぎつぎ出てくる。人間と
は思えないほど長命な人がゾロゾロいるかと思うと、思わず顔を赤らめてし
まう赤裸々なシーンがあったり。そういえば破廉恥なあんな言葉や、過激な
こんな言葉も、語源は聖書だ。
そんなこんなで、わたしの聖書はぼろぼろになっている。しかし、負けな
いくらいぼろぼろで、なおかつ、家族にも大人気の一冊がある。高校で配布
された社会科の副教材『総合 新世界史図説』だ。タイトルのとおり、先史
時代から現代までの年表や系譜、勢力地図、時代を代表する芸術の写真など、
あらゆる歴史が「ヴィジュアル」にまとめられた一冊。授業を聞くのに飽き
たとき、わたしはどれだけこの教材のお世話になったことか。
けれどこの本が本領を発揮したのは、むしろわたしが卒業をしたあとだ。
ジェームズ、ウィリアム、アンリ、シャルル……? 歴史小説を読んでいて
次々出てくる人名に頭が混乱したときも、この一冊があればスッキリ解決。
地図がたくさん載っているので、旅の計画づくりにも役に立つ。この便利さ
が家族に知れてしまってからは、本はもう引っぱりダコで、みんなが好き勝
手な場所に持っていくものだから、しょっちゅう行方不明になる始末。いよ
いよ最近では表紙がぶらぶらになって、あわれ、瀕死の状態になってしまっ
た。仕方がない、そろそろ二代目にその座を譲ってもらうとするか。
でも買い換える前に、この教材をつくった会社の方に是非ともお礼が言い
たい。いろいろな場面で、これほど健気に尽くしてくれた本は他にはなかっ
た。
表紙を見ると「帝国書院版」と書いてある。WebWHOで調べてみると、
この会社の関係で載っていたのは編集者の今井秀幸さん、社長の後藤孝之、
社長の宮川暢三さん。あれ、社長が二人いる? まあ細かいことは気にしな
いとして、みなさん、すばらしい一冊をありがとうございました。
この十数年間には歴史上の新たな発見や解明があって、おそらく教材に載
る歴史も、少なからず変化したはずだ。あわれな姿に成り果てた先代を思う
と胸が痛むが、二代目との出会いに、ひそかに胸をときめかせているわたし
であった。
■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第6回) 坂本あおい
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『この一冊にくびったけ』
古今東西、一番のベストセラーは聖書だといわれる。ミッションスクール
に通っていたわたしの手元には、数えてみると3冊もあった。学校を離れて
からも、意外と聖書の出番は多い。英米の文学には、うっかりすると聖書の
引用が潜んでいるので、元になった話や句を確かめる機会がけっこうあるの
だ。
この本(Bibleは単に本という意味らしい)は読んでみると案外おも
しろい。
特に旧約聖書には、びっくりするような記述がつぎつぎ出てくる。人間と
は思えないほど長命な人がゾロゾロいるかと思うと、思わず顔を赤らめてし
まう赤裸々なシーンがあったり。そういえば破廉恥なあんな言葉や、過激な
こんな言葉も、語源は聖書だ。
そんなこんなで、わたしの聖書はぼろぼろになっている。しかし、負けな
いくらいぼろぼろで、なおかつ、家族にも大人気の一冊がある。高校で配布
された社会科の副教材『総合 新世界史図説』だ。タイトルのとおり、先史
時代から現代までの年表や系譜、勢力地図、時代を代表する芸術の写真など、
あらゆる歴史が「ヴィジュアル」にまとめられた一冊。授業を聞くのに飽き
たとき、わたしはどれだけこの教材のお世話になったことか。
けれどこの本が本領を発揮したのは、むしろわたしが卒業をしたあとだ。
ジェームズ、ウィリアム、アンリ、シャルル……? 歴史小説を読んでいて
次々出てくる人名に頭が混乱したときも、この一冊があればスッキリ解決。
地図がたくさん載っているので、旅の計画づくりにも役に立つ。この便利さ
が家族に知れてしまってからは、本はもう引っぱりダコで、みんなが好き勝
手な場所に持っていくものだから、しょっちゅう行方不明になる始末。いよ
いよ最近では表紙がぶらぶらになって、あわれ、瀕死の状態になってしまっ
た。仕方がない、そろそろ二代目にその座を譲ってもらうとするか。
でも買い換える前に、この教材をつくった会社の方に是非ともお礼が言い
たい。いろいろな場面で、これほど健気に尽くしてくれた本は他にはなかっ
た。
表紙を見ると「帝国書院版」と書いてある。WebWHOで調べてみると、
この会社の関係で載っていたのは編集者の今井秀幸さん、社長の後藤孝之、
社長の宮川暢三さん。あれ、社長が二人いる? まあ細かいことは気にしな
いとして、みなさん、すばらしい一冊をありがとうございました。
この十数年間には歴史上の新たな発見や解明があって、おそらく教材に載
る歴史も、少なからず変化したはずだ。あわれな姿に成り果てた先代を思う
と胸が痛むが、二代目との出会いに、ひそかに胸をときめかせているわたし
であった。
今朝は、とにかく急いでいた。
いつも乗るはずのバスは、すでにバス停に到着している。よもやと思った
ところ、顔なじみの運転手が片手をあげて、パッシングをしている。
まさかと思いながらバス停までの数十メートルをダッシュすると、バスは
停車したまま待っている。「すいません、すいません」と運転手さんなら
びに、発車が遅れてしまった乗客の皆さんに、詫びを入れ、空いている手
すりにつかまった。ありがたいけど、恥ずかしい。
しばらくバスにゆられていると、背後から、わたしの肩をツンツンとつっ
つく人がいる。名前は知らぬが、顔なじみの乗客の女性である。
わたしの袖口をさして、にっこりしている。「!」クリーニングの札がつ
いたまま…。人の情けが身にしみた、春の朝。明日は早起きするぞ!
(夏)
いつも乗るはずのバスは、すでにバス停に到着している。よもやと思った
ところ、顔なじみの運転手が片手をあげて、パッシングをしている。
まさかと思いながらバス停までの数十メートルをダッシュすると、バスは
停車したまま待っている。「すいません、すいません」と運転手さんなら
びに、発車が遅れてしまった乗客の皆さんに、詫びを入れ、空いている手
すりにつかまった。ありがたいけど、恥ずかしい。
しばらくバスにゆられていると、背後から、わたしの肩をツンツンとつっ
つく人がいる。名前は知らぬが、顔なじみの乗客の女性である。
わたしの袖口をさして、にっこりしている。「!」クリーニングの札がつ
いたまま…。人の情けが身にしみた、春の朝。明日は早起きするぞ!
(夏)
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■ WHOで検索!話題のカタマリ 第10回 アーティストのカタマリ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
デバイス・アーティスト/クワクボリョウタ の巻
デバイスって言葉は、謎である。
パソコンを使う人ならば、一度は遭遇したことがあるであろう「デバイ
ス・エラーです。」「デバイスが不正です。」
デバイスってものが、そもそもわからないというのに、それがエラーだ
不正だと言われたって、それはどこなの? ワタシどうすりゃいいの?
どうにも人を不安にさせる“デバイス”だ。
なにかヒントがあるかもしれぬと、今日のテーマであるデバイス・アー
ティストの経歴を読んでみることにした。
--【クワクボ リョウタ】デバイス・アーティスト ---------------------
航空会社のエンジニアの家庭に育つ。
小学校時代からパソコンに熱中し、プログラムの基礎を収得。やがて美
術に傾倒し、大学、大学院では現代美術を専攻。卒業後、プログラマー
となるが、美術と電子技術を融合させた電子アートを志して大学の先輩
であるアートユニット・明和電機に弟子入り。
エレクトロニクスを中心にデジタルとアナログの境界線上で作品を制作
する傍ら、他のアーティストのサポート・エンジニアリング、おもちゃ
の開発なども手がける。投げたり揺すったりすると擬音が出る「ビーチ
ボール」、テーブルをたたくとまねをしてたたき続けるマシンなどを創
作し、平成16年文化庁メディア芸術祭アート部門大賞を受賞
-------------------------------------------------------------------
「明和電機の弟子なのね!」いっときテレビなどにもよく出ていたので、
ご存知の方も多いと思うが、ご存知ない方のためにちょっと説明すると
青い作業服姿で、自作の電機楽器をつかったパフォーマンスなどをする
ユニークな二人組のことである。
クワクボ氏は、その弟子というわけだ。
ああいうエレクトリックなものと、アートを融合するのがデバイス・ア
ートなのですね。へー、世の中には面白いことを考える人が…そこまで
思いいたって「デバイス(device)」を辞書でひいてみると、
デバイス 【device】(1) 電子回路を構成する基本的な素子。トラ
ンジスタ・IC・LSIなど。(2) コンピューター-システムの中
で特定の機能を果たす装置。ハードディスク・プリンター・マウス
などの周辺装置を広くいう。
-「デイリー 新語辞典」(三省堂)より-
この記述を読む限り「デバイス・エラー」って、どことはいわないけど
パソコンのどっかがおかしいよってな意味なの? そんな大雑把なこと
でこのエラーは解消できるの? さらなる謎が深まったまま、また次回。
■ WHOで検索!話題のカタマリ 第10回 アーティストのカタマリ
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デバイス・アーティスト/クワクボリョウタ の巻
デバイスって言葉は、謎である。
パソコンを使う人ならば、一度は遭遇したことがあるであろう「デバイ
ス・エラーです。」「デバイスが不正です。」
デバイスってものが、そもそもわからないというのに、それがエラーだ
不正だと言われたって、それはどこなの? ワタシどうすりゃいいの?
どうにも人を不安にさせる“デバイス”だ。
なにかヒントがあるかもしれぬと、今日のテーマであるデバイス・アー
ティストの経歴を読んでみることにした。
--【クワクボ リョウタ】デバイス・アーティスト ---------------------
航空会社のエンジニアの家庭に育つ。
小学校時代からパソコンに熱中し、プログラムの基礎を収得。やがて美
術に傾倒し、大学、大学院では現代美術を専攻。卒業後、プログラマー
となるが、美術と電子技術を融合させた電子アートを志して大学の先輩
であるアートユニット・明和電機に弟子入り。
エレクトロニクスを中心にデジタルとアナログの境界線上で作品を制作
する傍ら、他のアーティストのサポート・エンジニアリング、おもちゃ
の開発なども手がける。投げたり揺すったりすると擬音が出る「ビーチ
ボール」、テーブルをたたくとまねをしてたたき続けるマシンなどを創
作し、平成16年文化庁メディア芸術祭アート部門大賞を受賞
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「明和電機の弟子なのね!」いっときテレビなどにもよく出ていたので、
ご存知の方も多いと思うが、ご存知ない方のためにちょっと説明すると
青い作業服姿で、自作の電機楽器をつかったパフォーマンスなどをする
ユニークな二人組のことである。
クワクボ氏は、その弟子というわけだ。
ああいうエレクトリックなものと、アートを融合するのがデバイス・ア
ートなのですね。へー、世の中には面白いことを考える人が…そこまで
思いいたって「デバイス(device)」を辞書でひいてみると、
デバイス 【device】(1) 電子回路を構成する基本的な素子。トラ
ンジスタ・IC・LSIなど。(2) コンピューター-システムの中
で特定の機能を果たす装置。ハードディスク・プリンター・マウス
などの周辺装置を広くいう。
-「デイリー 新語辞典」(三省堂)より-
この記述を読む限り「デバイス・エラー」って、どことはいわないけど
パソコンのどっかがおかしいよってな意味なの? そんな大雑把なこと
でこのエラーは解消できるの? さらなる謎が深まったまま、また次回。
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■ WHOで検索!話題のカタマリ 第8回 アーティストのカタマリ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
銀座のエルメスビル(メゾンエルメス)のウインドーディスプレイは、ア
ーティスティックであるとのタレ込みから、今回はこのディスプレイを担
当したアーティストを紹介しよう。
--【名和晃平/なわこうへい】造形作家------------------------------
昭和50年大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院後期博士課程修了。
平成12~13年 "Boomerang Art Project"を京都とドイツ・ブレーメ
ンで開催。14年個展"CELL"を開く。15年京都府美術工芸新鋭選抜展
で最優秀賞受賞。作品に動物の剥製や昆虫の標本などの様々な物質
の表面をすべてガラスのビーズで覆ったシリーズ作品「PixCell」
などがある。平成15年京都府美術工芸新鋭選抜展最優秀賞を受賞。
-----------------------------------------------------------------
造形作家・名和晃平は、前々回紹介したカメラマンの澤田知子とならんで
愛知万博(「愛・地球博」)への大型作品の出展が決まった、最近もっと
も注目されているアーティストのひとりではないだろうか。
次回も若手のアーティストを紹介します。お楽しみに。
■ WHOで検索!話題のカタマリ 第8回 アーティストのカタマリ
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銀座のエルメスビル(メゾンエルメス)のウインドーディスプレイは、ア
ーティスティックであるとのタレ込みから、今回はこのディスプレイを担
当したアーティストを紹介しよう。
--【名和晃平/なわこうへい】造形作家------------------------------
昭和50年大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院後期博士課程修了。
平成12~13年 "Boomerang Art Project"を京都とドイツ・ブレーメ
ンで開催。14年個展"CELL"を開く。15年京都府美術工芸新鋭選抜展
で最優秀賞受賞。作品に動物の剥製や昆虫の標本などの様々な物質
の表面をすべてガラスのビーズで覆ったシリーズ作品「PixCell」
などがある。平成15年京都府美術工芸新鋭選抜展最優秀賞を受賞。
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造形作家・名和晃平は、前々回紹介したカメラマンの澤田知子とならんで
愛知万博(「愛・地球博」)への大型作品の出展が決まった、最近もっと
も注目されているアーティストのひとりではないだろうか。
次回も若手のアーティストを紹介します。お楽しみに。
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■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第5回) 坂本あおい
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『実はわたしは××が好き!』
わたしの好きな言葉は「朝三暮四」だ。「目先のことにこだわり、結果
は同じになると理解できないこと」また「言葉たくみに騙すこと」。そう、
ちっともよくない意味である。でも由来となった故事のほうは、実はほの
ぼのとした話なのだ。
むかし狙公という人がいて、飼っているサルをとても可愛がっていたの
だが、餌を買う金に窮したため仕方なくサルに尋ねた。「餌を朝三つにし
て、晩に四つにするが、足りるか」。するとサルは怒った。「ならば朝四
つ、晩三つでよいか」。するとサルは喜んだ、という話。このときのサル
の反応がいいのだ。「衆狙皆起而怒(サル、みな立ちて怒る)」、「衆狙
皆伏而喜(サル、みな伏して喜ぶ)」。サルたちの一生懸命な様子は、想
像してみるとたまらなくラブリーではないか。朝三暮四と聞くだけで、わ
たしの中には自動的に温かい感情がわいてくる。
そう、わたしは大のサル好きなのだ。特に人間との境界に挑む研究所の
類人猿は、見ていて飽きることがない。たとえば有名なところではボノボ
(別名ピグミーチンパンジー)のカンジ。テレビで特集されたこともあるの
で、名前をご記憶の方もいらっしゃるだろう。石器のような道具を作った
り、キーボードを介して人間と会話をしたりする。妹のパンバニーシャも
すぐれた能力を発揮しているし、その息子のニョタくんは、言語訓練を受
けたサルの二世代目として大注目株だ。
そんなサル好きのわたしは、ふと、WebWHOと勝負してみることを
思い立った。「ボノボ」で検索をしてみて、もし知らない情報がわんさか
出てきたとしたら、サル好きとしてわたしは失格だ。サル好きを名乗るの
をやめて、修行の旅に出よう。さて、結果やいかに。
ヒットしたうち無関係なものを除外すると、全部で5件になった。
スー・サベージ・ランボー博士はカンジの育ての親。もちろん知ってい
る。3人の日本人は、いずれも京都大学勢だ。さすがはチンパンジーのア
イでも有名な、かの霊長類研究所を有する大学だけある。5人目のフラン
ス・ドゥ・ヴァール氏は、著書には見覚えのあるものもあったが、本人の
名前は知らなかった。
ということで、勝負は互角に終わった(独断による判定)。サル好きの
道を極めるために、リストにあった執筆文献を積極的に読むことにしよう
と、志をあらたにしたわたしである。
ところでわたしは悩んでいる。スー博士やカンジのいる研究所に25ド
ル寄付すると、 Great Ape Trust(大型類人猿トラストの意味)と書かれ
たキャップがもらえる。サル好きの勲章としては、悪くない。でも頑張っ
て100ドルを寄付すると、そのほかにボノボの本や研究ジャーナルがも
らえるのだ。とはいえ75ドルの差は大きい。うむ、どうするべきか。
■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第5回) 坂本あおい
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『実はわたしは××が好き!』
わたしの好きな言葉は「朝三暮四」だ。「目先のことにこだわり、結果
は同じになると理解できないこと」また「言葉たくみに騙すこと」。そう、
ちっともよくない意味である。でも由来となった故事のほうは、実はほの
ぼのとした話なのだ。
むかし狙公という人がいて、飼っているサルをとても可愛がっていたの
だが、餌を買う金に窮したため仕方なくサルに尋ねた。「餌を朝三つにし
て、晩に四つにするが、足りるか」。するとサルは怒った。「ならば朝四
つ、晩三つでよいか」。するとサルは喜んだ、という話。このときのサル
の反応がいいのだ。「衆狙皆起而怒(サル、みな立ちて怒る)」、「衆狙
皆伏而喜(サル、みな伏して喜ぶ)」。サルたちの一生懸命な様子は、想
像してみるとたまらなくラブリーではないか。朝三暮四と聞くだけで、わ
たしの中には自動的に温かい感情がわいてくる。
そう、わたしは大のサル好きなのだ。特に人間との境界に挑む研究所の
類人猿は、見ていて飽きることがない。たとえば有名なところではボノボ
(別名ピグミーチンパンジー)のカンジ。テレビで特集されたこともあるの
で、名前をご記憶の方もいらっしゃるだろう。石器のような道具を作った
り、キーボードを介して人間と会話をしたりする。妹のパンバニーシャも
すぐれた能力を発揮しているし、その息子のニョタくんは、言語訓練を受
けたサルの二世代目として大注目株だ。
そんなサル好きのわたしは、ふと、WebWHOと勝負してみることを
思い立った。「ボノボ」で検索をしてみて、もし知らない情報がわんさか
出てきたとしたら、サル好きとしてわたしは失格だ。サル好きを名乗るの
をやめて、修行の旅に出よう。さて、結果やいかに。
ヒットしたうち無関係なものを除外すると、全部で5件になった。
スー・サベージ・ランボー博士はカンジの育ての親。もちろん知ってい
る。3人の日本人は、いずれも京都大学勢だ。さすがはチンパンジーのア
イでも有名な、かの霊長類研究所を有する大学だけある。5人目のフラン
ス・ドゥ・ヴァール氏は、著書には見覚えのあるものもあったが、本人の
名前は知らなかった。
ということで、勝負は互角に終わった(独断による判定)。サル好きの
道を極めるために、リストにあった執筆文献を積極的に読むことにしよう
と、志をあらたにしたわたしである。
ところでわたしは悩んでいる。スー博士やカンジのいる研究所に25ド
ル寄付すると、 Great Ape Trust(大型類人猿トラストの意味)と書かれ
たキャップがもらえる。サル好きの勲章としては、悪くない。でも頑張っ
て100ドルを寄付すると、そのほかにボノボの本や研究ジャーナルがも
らえるのだ。とはいえ75ドルの差は大きい。うむ、どうするべきか。
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■ WHOで検索!話題のカタマリ 第8回 アーティストのカタマリ
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(その2)【イラストレーター 五月女ケイ子の巻】
* * *
「知るひとぞ知る若手のアーティストをメルマガで紹介したらどうかね?」
約1ヶ月ほど前、上司がふとそんなことを口にした。「あ、いいですね。や
りましょー、やりましょー」
二つ返事で引き受けたはいいが、“知るひとぞ知る”を探すのがムズカシい。
プロの編集者だって、それを探すのに苦労しているわけだから、おいそれとは
見つからない。いくらWHOをもってしても、それは無理なのである。
そんなわけで、前回は、営業スタッフの若手に「ね、ね、よろしく!」など
といいながら原稿をかかせたわけだが、今回はそうもゆかぬ。ならばと以前か
らどうも気になっていたイラストレーターを調査することにした。名前しかわ
からない。けれどWHOなら名前がわかれば十分なのだ。
「ビギナー」という2年ほど前に放送されていたフジ系のドラマをご存知だろ
うか? 経歴も年齢もちがう司法修習生をえがいたいわゆる“司法もの”であ
る。このドラマでは、毎回、実際の事件や、劇中の架空の事件が紙芝居仕立て
で登場する。その紙芝居に使われるイラストのうち、なんとも強烈なものがあ
った。どろどろとした色使いにオーバーな表情をした男、女。オカルトチック
ともコメディタッチとも、劇画タッチとも抽象的ともつかない独特のテイスト。
はっきりいって目がくぎ付けである。
ドラマのエンドロールを見ると、五月女ケイ子という人物が書いたものらし
いことだけがわかった。
このドラマのあとも、同じ作者のものと思われるイラストを、テレビや雑誌
などでちょくちょく目にした。売れている。でも誰なんだ、それは。
誰だかわからないけれど、何だかむずむずとアンテナに引っかかる人、それ
がすぱっと解決する可能性が高いのがWHOである。本人のホームページより
も客観的で、ファンサイトよりもクールな視線。それがWHOである。
さっそく基本的なプロフィールをWHOで確認してみたところ、このドラマ
ではなく、別番組から人気に火がついたようである。本を出版していることも
わかった。
【五月女ケイ子】イラストレーター/成城大学芸術学科映画専攻卒
大学卒業後、ファッション誌のイラストレーターとして活動。BSフジの
バラエティー番組「宝島の地図よっ」の“新しい単位”コーナーでイラス
トを担当し、好評を得る。夫も同番組の構成作家。
そんなわけで、2年越しの「誰なんだ?」を解決でき、非常にすっきりとし
た気分である。この爽快な気分のまま、次回も気になる若手のアーティストを
お届けしようと思う。どうぞ、お楽しみに!
■ WHOで検索!話題のカタマリ 第8回 アーティストのカタマリ
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(その2)【イラストレーター 五月女ケイ子の巻】
* * *
「知るひとぞ知る若手のアーティストをメルマガで紹介したらどうかね?」
約1ヶ月ほど前、上司がふとそんなことを口にした。「あ、いいですね。や
りましょー、やりましょー」
二つ返事で引き受けたはいいが、“知るひとぞ知る”を探すのがムズカシい。
プロの編集者だって、それを探すのに苦労しているわけだから、おいそれとは
見つからない。いくらWHOをもってしても、それは無理なのである。
そんなわけで、前回は、営業スタッフの若手に「ね、ね、よろしく!」など
といいながら原稿をかかせたわけだが、今回はそうもゆかぬ。ならばと以前か
らどうも気になっていたイラストレーターを調査することにした。名前しかわ
からない。けれどWHOなら名前がわかれば十分なのだ。
「ビギナー」という2年ほど前に放送されていたフジ系のドラマをご存知だろ
うか? 経歴も年齢もちがう司法修習生をえがいたいわゆる“司法もの”であ
る。このドラマでは、毎回、実際の事件や、劇中の架空の事件が紙芝居仕立て
で登場する。その紙芝居に使われるイラストのうち、なんとも強烈なものがあ
った。どろどろとした色使いにオーバーな表情をした男、女。オカルトチック
ともコメディタッチとも、劇画タッチとも抽象的ともつかない独特のテイスト。
はっきりいって目がくぎ付けである。
ドラマのエンドロールを見ると、五月女ケイ子という人物が書いたものらし
いことだけがわかった。
このドラマのあとも、同じ作者のものと思われるイラストを、テレビや雑誌
などでちょくちょく目にした。売れている。でも誰なんだ、それは。
誰だかわからないけれど、何だかむずむずとアンテナに引っかかる人、それ
がすぱっと解決する可能性が高いのがWHOである。本人のホームページより
も客観的で、ファンサイトよりもクールな視線。それがWHOである。
さっそく基本的なプロフィールをWHOで確認してみたところ、このドラマ
ではなく、別番組から人気に火がついたようである。本を出版していることも
わかった。
【五月女ケイ子】イラストレーター/成城大学芸術学科映画専攻卒
大学卒業後、ファッション誌のイラストレーターとして活動。BSフジの
バラエティー番組「宝島の地図よっ」の“新しい単位”コーナーでイラス
トを担当し、好評を得る。夫も同番組の構成作家。
そんなわけで、2年越しの「誰なんだ?」を解決でき、非常にすっきりとし
た気分である。この爽快な気分のまま、次回も気になる若手のアーティストを
お届けしようと思う。どうぞ、お楽しみに!
わたしには、年子の姉がおり、ふたりとも150センチそこそこのミニ姉妹
である。ついでに言うと母親もミニである。
ところで、ネットの世界には、そのような背の低い人が集まるコミュニティ
があるらしい。そこでのもっぱらの話題は介護だ。ミニ妻は、どうもノッポ
や太めの夫を有する人が多いらしく、年老いたデカい夫をどう介護するか、
日々真剣に話し合われているらしいのである。
幸いにも家人は、平均的な体格をしているが(それでも私からみれば十分デ
カい)、姉の夫などは芸能界入りした舞の海といった風情で、姉の行く末が
心配だ。
家人にその旨伝えたところ「自分の方が介護される身かもしれないのに傲慢
である」と厳しくたしなめられた。思ったことすべてを口に出すのはやめよ
うと思った次第である。 (夏)
である。ついでに言うと母親もミニである。
ところで、ネットの世界には、そのような背の低い人が集まるコミュニティ
があるらしい。そこでのもっぱらの話題は介護だ。ミニ妻は、どうもノッポ
や太めの夫を有する人が多いらしく、年老いたデカい夫をどう介護するか、
日々真剣に話し合われているらしいのである。
幸いにも家人は、平均的な体格をしているが(それでも私からみれば十分デ
カい)、姉の夫などは芸能界入りした舞の海といった風情で、姉の行く末が
心配だ。
家人にその旨伝えたところ「自分の方が介護される身かもしれないのに傲慢
である」と厳しくたしなめられた。思ったことすべてを口に出すのはやめよ
うと思った次第である。 (夏)
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■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第4回) 坂本あおい
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『書評家は賞金1200万円の夢をみるか?』
今年も前期分の直木賞、芥川賞がでそろった。芥川賞をとった阿部和重さん
の「新人に与えられる賞をもらうのは複雑」というコメントが、わたしには印
象的だった。
さて、かならずニュースで宣伝してもらえる両賞はさておき、今回わたしは、
知名度は落ちるが頑張っている賞を発掘してみることにした。頼みの綱は国内
の賞の情報をおさめた「賞の事典ファイル」(注1)だ。さっそく「文学」のキ
ーワードで検索、と思ったら901件もヒットしてしまった。そこで試行錯誤
のすえ「ミステリ」でしぼり、やっと17件という手ごろな数字に。
リストのトップにあったのは「FNSレディース・ミステリー大賞」という
もの。初耳だが、それもそのはずだ。「平成2年第2回をもって中止された」
とある。第2回は「受賞作なし」。実質的に一発で終わっているではないか。
不景気なのに賞金1000万円なんて無茶をするからだ。ところがこのご時世
にその上をいく賞があった。「『このミステリーがすごい!』大賞」。賞金は
なんと1200万円。
これは公募の新人賞で、データを読んでみると特徴的なのは賞金額の大きさ
だけではなかった。選考者は全員書評家で、ネットで読者の投票もうけつけて
いる。
たいてい、文学賞の最終選考はベテラン作家がおこなう。相手が新進や新人
であっても同業者の作品を選考するとなれば、私情や偏見がまじらないともか
ぎらない。それに中には読書習慣のない作家もいるとか。そうした先生方が無
遠慮な選考コメントを出すから、「××賞決別宣言」をする作家がでるなどの
悲劇も生まれる。
一方、書評家は、作家、読者の中間くらいの位置にいる。下手な選考をすれ
ば、自分の看板に瑕がつくことにもなる。市場もわかっているし、なにより読
書量が多い。寄せられる作品の質にもよるが、評価については信頼できそうだ。
それにしても賞金1200万円である。選考委員はこの方面で引っぱりダコ
の書評家ぞろいだとはいえ、これほどの額を一度にもらえる機会はめったにな
いだろう。右から左へと動いていく大金に、歯ぎしりしている選考者もいるか
もしれない。ためしに賞の公式サイトをのぞいてみると、受賞者を牽制する吉
野仁氏の言葉があった。冷静だがドスがきいている。
「ふつう作家が得る印税収入は、本の定価の10パーセントが相場である。
すなわち1200万円の賞金とは、極端にいえば作品そのものに対して1
億2000万円の価値を認めたことになる。」
1億2000万円! すごい話になってきた。受賞者も思わず襟をただすこ
とだろう。今では国内文学賞の代名詞のようになった直木・芥川賞も、そもそ
もは両作家なきあとの賑やかしのためにはじめられたという。「『このミス』
大賞」もおおいに頑張って出版業界をにぎわせてほしいと切に願うのである。
■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第4回) 坂本あおい
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『書評家は賞金1200万円の夢をみるか?』
今年も前期分の直木賞、芥川賞がでそろった。芥川賞をとった阿部和重さん
の「新人に与えられる賞をもらうのは複雑」というコメントが、わたしには印
象的だった。
さて、かならずニュースで宣伝してもらえる両賞はさておき、今回わたしは、
知名度は落ちるが頑張っている賞を発掘してみることにした。頼みの綱は国内
の賞の情報をおさめた「賞の事典ファイル」(注1)だ。さっそく「文学」のキ
ーワードで検索、と思ったら901件もヒットしてしまった。そこで試行錯誤
のすえ「ミステリ」でしぼり、やっと17件という手ごろな数字に。
リストのトップにあったのは「FNSレディース・ミステリー大賞」という
もの。初耳だが、それもそのはずだ。「平成2年第2回をもって中止された」
とある。第2回は「受賞作なし」。実質的に一発で終わっているではないか。
不景気なのに賞金1000万円なんて無茶をするからだ。ところがこのご時世
にその上をいく賞があった。「『このミステリーがすごい!』大賞」。賞金は
なんと1200万円。
これは公募の新人賞で、データを読んでみると特徴的なのは賞金額の大きさ
だけではなかった。選考者は全員書評家で、ネットで読者の投票もうけつけて
いる。
たいてい、文学賞の最終選考はベテラン作家がおこなう。相手が新進や新人
であっても同業者の作品を選考するとなれば、私情や偏見がまじらないともか
ぎらない。それに中には読書習慣のない作家もいるとか。そうした先生方が無
遠慮な選考コメントを出すから、「××賞決別宣言」をする作家がでるなどの
悲劇も生まれる。
一方、書評家は、作家、読者の中間くらいの位置にいる。下手な選考をすれ
ば、自分の看板に瑕がつくことにもなる。市場もわかっているし、なにより読
書量が多い。寄せられる作品の質にもよるが、評価については信頼できそうだ。
それにしても賞金1200万円である。選考委員はこの方面で引っぱりダコ
の書評家ぞろいだとはいえ、これほどの額を一度にもらえる機会はめったにな
いだろう。右から左へと動いていく大金に、歯ぎしりしている選考者もいるか
もしれない。ためしに賞の公式サイトをのぞいてみると、受賞者を牽制する吉
野仁氏の言葉があった。冷静だがドスがきいている。
「ふつう作家が得る印税収入は、本の定価の10パーセントが相場である。
すなわち1200万円の賞金とは、極端にいえば作品そのものに対して1
億2000万円の価値を認めたことになる。」
1億2000万円! すごい話になってきた。受賞者も思わず襟をただすこ
とだろう。今では国内文学賞の代名詞のようになった直木・芥川賞も、そもそ
もは両作家なきあとの賑やかしのためにはじめられたという。「『このミス』
大賞」もおおいに頑張って出版業界をにぎわせてほしいと切に願うのである。