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【2】知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第45回) 坂本あおい
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夏といえば?
暑いですね。夏本番ですね。
そんな挨拶が定番となる季節がめぐってきた。ニュース番組では、暑いことが
ニュースになり、レポーターが温度計を持って、わざわざ暑い場所へ出かけて
いく。ほかにニュースはないのか? とはいえ、暑い夏が来てこそ気分の盛り
上がるものもある。海、ビール、それに――。それに、夏といえばやっぱり花
火でしょう。と、当然のように言ってみたが、日本の外を見てみると、花火は
大晦日や記念日のにぎやかしとして打ち上げられることが多く、季節とは無関
係なようす。「夏・花火・ビール」、こうしたキーワードにワクワクできるの
も、日本居住者だけの特権かもしれない。
さて、花火といえば「たまやー」「かぎやー」の掛け声を思い出す方も多いと
思うが、これはご存知、江戸の花火屋のなまえだ。鍵屋と、そこから暖簾わけ
した玉屋が隅田川のあっちとこっちで競うように花火をあげたことから、そう
した掛け声が定着したという。だから本来なら、打ち上げを担当している業者
の名前を言って応援するのが正しいということだろうけど、花火大会にいって
「××煙火工業」などと叫ぶのも、やや気恥ずかしいような。ならば、鍵屋、
玉屋の花火を見にいくしかないか。
鍵屋は今もつづいていて、15代目を引き継いだのは、なんと若い女性だそうだ。
オフィシャルサイトによれば、15代目は「ドドーン」という花火音や音響効果
にもこだわっておられるそう。花火の楽しさのひとつが音というのは、わたし
も大賛成。おおいに応援して、これからは「かぎやー」と叫びたい。
◎ 天野安喜子(花火師;柔道審判員;鍵屋取締役)
花火の宗家・鍵屋の14代目の二女として生まれる。幼い頃から父の仕事を
見て育ち、18歳から花火の現場に入る。大学卒業後家業を手伝い始め、そ
の後2年間他社の花火工場で修行。平成7年から再び家業の仕事に就く。12
年15代目を襲名。 (WHOPLUSより)
では、暖簾わけされた玉屋のほうは?
じつは、玉屋は一代かぎりの三十数年で終わってしまったのだ。江戸版プロジェ
クトXのような苦労の末に鍵屋にも勝る花火をつくるようになり、人気も上々
だったというのに、いったいなにが起こったのか? 花火を見ながらウンチク
を語りたい人は小説『大江戸人情花火』でも読んで楽しくネタを仕入れてはい
かがだろう。これを読むと、もはや存在しないと知りつつも「たまやー」と声
をかけたくなるかもしれないが。
『大江戸人情花火』 稲葉稔著
講談社 2007.7.3刊 \1,800(税別) ISBN978-4-06-214116-1
天下の花火屋「鍵屋」の主に新しい店を託されてから、手代だった市兵衛
は死に物狂いで駆け回った。鍵屋の大番頭の妨害に悩まされながらも、新
参の「玉屋」は鍵屋に追いつき追い越してゆく。いつも明るくて前向きな
女房・おみつのおかげだった-。ひたすら真面目に生きてきた職人に、降っ
て湧いた暖簾分けの話。恋女房と二人三脚で、「玉屋」を創った男の感動
一代記。 (BOOKPLUSより)
【2】知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第45回) 坂本あおい
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夏といえば?
暑いですね。夏本番ですね。
そんな挨拶が定番となる季節がめぐってきた。ニュース番組では、暑いことが
ニュースになり、レポーターが温度計を持って、わざわざ暑い場所へ出かけて
いく。ほかにニュースはないのか? とはいえ、暑い夏が来てこそ気分の盛り
上がるものもある。海、ビール、それに――。それに、夏といえばやっぱり花
火でしょう。と、当然のように言ってみたが、日本の外を見てみると、花火は
大晦日や記念日のにぎやかしとして打ち上げられることが多く、季節とは無関
係なようす。「夏・花火・ビール」、こうしたキーワードにワクワクできるの
も、日本居住者だけの特権かもしれない。
さて、花火といえば「たまやー」「かぎやー」の掛け声を思い出す方も多いと
思うが、これはご存知、江戸の花火屋のなまえだ。鍵屋と、そこから暖簾わけ
した玉屋が隅田川のあっちとこっちで競うように花火をあげたことから、そう
した掛け声が定着したという。だから本来なら、打ち上げを担当している業者
の名前を言って応援するのが正しいということだろうけど、花火大会にいって
「××煙火工業」などと叫ぶのも、やや気恥ずかしいような。ならば、鍵屋、
玉屋の花火を見にいくしかないか。
鍵屋は今もつづいていて、15代目を引き継いだのは、なんと若い女性だそうだ。
オフィシャルサイトによれば、15代目は「ドドーン」という花火音や音響効果
にもこだわっておられるそう。花火の楽しさのひとつが音というのは、わたし
も大賛成。おおいに応援して、これからは「かぎやー」と叫びたい。
◎ 天野安喜子(花火師;柔道審判員;鍵屋取締役)
花火の宗家・鍵屋の14代目の二女として生まれる。幼い頃から父の仕事を
見て育ち、18歳から花火の現場に入る。大学卒業後家業を手伝い始め、そ
の後2年間他社の花火工場で修行。平成7年から再び家業の仕事に就く。12
年15代目を襲名。 (WHOPLUSより)
では、暖簾わけされた玉屋のほうは?
じつは、玉屋は一代かぎりの三十数年で終わってしまったのだ。江戸版プロジェ
クトXのような苦労の末に鍵屋にも勝る花火をつくるようになり、人気も上々
だったというのに、いったいなにが起こったのか? 花火を見ながらウンチク
を語りたい人は小説『大江戸人情花火』でも読んで楽しくネタを仕入れてはい
かがだろう。これを読むと、もはや存在しないと知りつつも「たまやー」と声
をかけたくなるかもしれないが。
『大江戸人情花火』 稲葉稔著
講談社 2007.7.3刊 \1,800(税別) ISBN978-4-06-214116-1
天下の花火屋「鍵屋」の主に新しい店を託されてから、手代だった市兵衛
は死に物狂いで駆け回った。鍵屋の大番頭の妨害に悩まされながらも、新
参の「玉屋」は鍵屋に追いつき追い越してゆく。いつも明るくて前向きな
女房・おみつのおかげだった-。ひたすら真面目に生きてきた職人に、降っ
て湧いた暖簾分けの話。恋女房と二人三脚で、「玉屋」を創った男の感動
一代記。 (BOOKPLUSより)
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