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   ■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第8回) 坂本あおい
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 「ドビッシー」への岡惚れ

 オトナになって知った真実。それは…
  ―――――――――――――――――――――――――
   この前、何年かぶりに「息抜き」と称してピアノを弾いてみた。わたしは決
  して勤勉な生徒ではなかったけれど、三歳から高校生くらいまで、無駄に長々
  とお稽古を続けていたおかげで、楽譜を見ながらチョロチョロと弾ける……は
  ずだった。
   ところが、ひどいものだ。指は動かない。楽譜は読めない。えっと、ここが
「ド」だから、シ、ラ、ソ、ファ……、あ、「ミ」だ、という調子。イライラす
  るわ、肩は凝るわ、これではちっとも息抜きにならない。気がつけば、家族の
  面々も耳障りな音にゲンナリしていた。
   考えてみれば、わたしは昔からそんなに弾けたわけではない。生意気な子供
  で、「モーツァルトなんてかったるいのは嫌だ、ドビッシーを弾かせてくれ」
  などと言って、基礎もそこそこに難しい曲に取り組んだので、結局、きちんと
  曲を完成させることもできなかった。ピアノが息抜きにならないのも、自業自
  得か。
   テクニックのなさは、知識でカバーだ。ということで、わたしのその大好き
  なドビッシーをWHOPLUSで全文検索してみた。すると、おかしい。3件
  しかヒットしない。しかも、肝心の本人が出てこないではないか! そこでよ
  うやく気がついた。Debussy の表記はドビッシーでなく、「ドビュッシー」が
  正しかったのだ。生意気な子供も正しい表記すら知らないようでは、形無しだ。
  しかも、大人になるまでそれに気づかなかったとは。ああ、今でもこんなに好
  きだというのに。

 プロフェッショナルに学ぶカタカナ表記の難しさ
  ―――――――――――――――――――――――――
   ところで、この外国語固有名詞のカタカナ表記というのは、案外くせもので
  ある。以前、James という作家に関する文献を調べようとしたときなどは、ジ
  ェイムズ、ジェームズ、誤記のジェイムス、ジェームス、古い文献をあてこん
  でゼームズ、といった具合に、なんどもキーワードを入れなおさなければなら
  なかった。
   辞書やデータベースの編纂者にとっても、これは頭の痛い問題だろう。アチ
  ラの人や土地の名前をカタカナで正確に表記するなど、土台無理なはなし。現
  地読みに近づけようとしても限界があるし、頑張りすぎれば、慣例的表記とだ
  いぶ違ってしまうこともある。
   ためしに「人物レファレンス事典」で遊んでみた。表記に揺れがありそうな
「Davidson」という名前を引いてみる。すると、有効数29のうち、もっとも多
  数派は「デビッドソン」(8件)で、次点が「デイヴィドソン」(4件)。
「デ/デー/デイ/ダ」、「ビド/ビッド/ヴィド/ヴィッド」、「ソン/スン」
  の別のいろいろな組み合わせで、計11の表記があった。乱暴にいえば、計算
  上は32通りの表記が可能なわけだ。多様な選択肢の中からひとつを選ばなく
  てはならない編纂者の方々、本当にご苦労なことです。

  ここで、わたしは遅まきながら気がついた。一般的な外国人名の表記に迷っ
  たときは、「人物レファレンス事典」を原語で引いて、各社のプロフェッショ
  ナルが出した答えを参考にすればいいのだ。これは便利! 愛しの「ドビュッ
  シー」のおかげで、ちょっと嬉しい発見をした。

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