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【2】知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第60回)    坂本あおい
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カクテルはいかが?

冬が近づいてきて、日ごとに夜が長くなる。そんなひとときを美味しいお酒を
飲みながら、まったりと過ごす。これ至福。最近では、日本酒をチビチビとか、
焼酎でウダウダとか、そういう飲み方が好きだけれど、過去をふりかえってみ
ると、わたしにもそれなりに可愛い時代はあった。なにしろ、カクテルでキャ
ピキャピしていたのだ。

はじめて飲んだカクテルは、忘れもしないギムレットだ。チャンドラー『長い
お別れ』の“ギムレットには早すぎる”の台詞に影響されたとかではなく、た
ぶんデート相手に勧められて選んだのだと思う。「カクテルの名前がすらすら
出てくる男ってステキ!」と思ったかどうかは憶えていないけれど、ウブだっ
たわたしは、目をハートにして喜んで飲んだものだ。

とはいえ、正直いって、ジンのはいったカクテルは飲みなれていないと薬くさ
いし、それにギムレットはどうやら、ハードボイルドなイメージのあるお酒の
ようだ。はじめて乙女が飲むカクテルとしては、いかがなものか……。

ものは試しで、日本の高齢女性の代表として、母に初カクテルを聞いてみると、
エンジェルキッスという答えが返ってきた。とってもラブリーな響きだけれど、
はじめて聞くお酒だ。ということで、先日、わたしはいそいそとバーへいって
注文したところ、マスターが「坂本さんにはちょっと……」と歯切れが悪い。
飲んでみて納得。これは大雑把にいってカカオ・リキュールにクリームを注い
だもので、味はお酒というよりお菓子だ。とりあえず、好奇心が満たされたの
で、よしとしておこう。

ところで、日本人による日本人のためのバーの元祖は、1911年に洋画家の松山
省三がひらいた《カフェ・プランタン》というお店らしい。WHOPLUSの
『事典 近代日本の先駆者』によると、当時は、“コーヒー1杯が10銭、カク
テル1杯が25銭であった”のだそう。いまのコーヒーが仮に500円だとすると、
1250円相当だ。当時の人々がどんなものを飲んでいたのか、とても想像がふく
らむのだが、残念ながら調べがつかなかった。19世紀末に軍医のギムレット氏
が考案したカクテルは、銀座界隈に集う粋人もまだ口にしていなかっただろう
か?

◎ 松山省三(洋画家)
明治17年広島県生まれ 昭和45年没
岡田三郎助に師事し、白馬会、院展に出品。そのかたわら明治44年、東京・
京橋にカフェー・プランタンを開業、文学者や美術家を常連とした。
(WHOPLUSより)

さて、北風の冷たい日には、ホットバタードラムなどはいかがだろう? ラム
に砂糖、熱湯を入れて、バターをうかべるというもので、カロリーも高めだが、
幸福度も高い一杯。海外の小説では、スキー場で身体を温めるために飲むシー
ンがみられるけれど、そういうときには、飲みすぎに注意です。そうそう、カ
クテルと呼べるかは微妙だが、グリューワイン(香料入りのホットワイン)と
いう選択もある。これも寒い屋外で飲むと、心まで温まる一杯。ああ、寒い冬
が待ち遠しくなってくるなあ。

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