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  ■ 知的バラエティコラム/本日も、風まかせ!(第15回)  坂本あおい
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 『今年ももうすぐ終わりです』

  もういくつ寝ると、お正月――。そんな歌が似合う季節になってきた。この歌
 によれば、お正月には凧をあげて、コマをまわして遊ぶことになっている。今は
 見かけなくなった光景だけど、わたしの小さい頃には、まだそうしたお正月が残
 っていた。双六に福笑い。それからわたしは女の子だったから、羽子板にも夢中
 になった。羽根をつくと、カーン、コーンという音がのんびりと響き、カラフル
 な羽根が冬の空を舞う。楽しかったなあ。お正月は大人たちが一緒になって遊ん
 でくれる、スペシャルな数日間だった。
  それにもうひとつ、楽しみにしていた習慣があった。初夢を見るための儀式だ。
 毎年、一月二日になると、達筆を自負する伯父が、もったいぶった手つきで半紙
 を折って舟をつくり、そこに次の句をスルスルと書いてくれた。

永き世の遠の眠りの皆目覚め 
波乗り船の音の良きかな

 本来は、七福神の乗った宝船の絵にこの句を書いたらしい。これを枕のしたに入
 れて寝ると、いい夢が見られるのだという。

  ところで、この句を読んで何かお気づきになるだろうか? 「なかきよの、と
 おのねふりのみなめさめ、なみのりふねの、おとのよきかな」では? そう、こ
 れは上から読んでも下から読んでもおなじ「回文」になっているのだ。この「回
 文」にはファンも多いようで、仙台ではコンテストも行われているらしい。お友
 達の小学生も、以前、学校で流行っているといって、「田舎役人、肉焼かない」
 というシブイな回文を伝授してくれた。

  ならばWHOPLUSにも情報があるはず。ということで探してみると、「回
 文作家」という職業の人が見つかった。落合正子さん。《著書・著者情報》によ
 ると「長文でも無理がなく、わかりやすい回文には定評がある」のだそうだ。ま
 た大西のり子さんという方はピアニストでもあり、「音楽感性・旋律が、回文に
 新風を吹き込みました」という触れ込みで、『薔薇を手折らば―回文集』という
 一冊を出している。このタイトルには、ゲーテもきっとびっくりだ。でも、音楽
 感性を回文に生かす? わたしが思いつくのは、せいぜい「ルルルルル」くらい。
 はい、センスも才能もゼロです。

  ちなみにPalindromeといって、英語などにも回文はある。“Madam in Eden,
 I'm Adam. (エデンの御婦人よ、わたしがアダムです)”というような具合。来
 年の干支「犬」を題材にしたものも見つけた。“Dog, no poop on God!”あえて
 訳しません。ウンがつくような、つかないような……。ともあれ、皆さま、良い
 お年をお迎えください。

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