人物・文献情報データベースWHOPLUSの“人物”をテーマにしたブログです!
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■ ハカマダ芸能研究所(第4回)-志ん朝を本格寄席で観たかった! -
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古今亭志ん朝(*1)が亡くなってから、早くも2年の月日が経ちました。現在
発売中の『東京人』12月号(11月1日発売)には「特集:志ん生・馬生・志ん
朝―落語に生きた親子三名人」が掲載されています。同誌では、2年前にも落
語の特集を組んでいて、2001年11月号(同年10月1日発売)では「特集:落語い
いねぇ!」に林家こぶ平(*2)との対談「親父は親父、芸は一代」が掲載されて
いて、今になって振り返ると、その号の発売当日が志ん朝の命日になってしま
ったというのも、何やら因縁めいた話です。
志ん朝の高座は、1980年代後半に安田生命ホールやイイノホールなど、いわ
ゆるホール寄席(柳家小三治との二人会が多かったと思う)を観たっきりで、
本格的な寄席で志ん朝を観る機会は、とうとう逃してしまったのが悔やまれま
す。
さて、三回忌を過ぎた頃から、急に晩年の志ん朝について知りたくなり、「W
ebWHO」で検索してみたところ、2人の人物がヒットしたので、それぞれ
の著書をさっそく読んでみました。
キーワード [古今亭志ん朝 志ん朝] いずれかを含む
AND [現存者]
一人は志ん朝の実姉・美濃部美津子(*3)で、昨年の一周忌の頃に出版された
「三人噺―志ん生・馬生・志ん朝」では、父・志ん生、弟・(金原亭)馬生、志ん
朝についての想い出話を語っており、独特の江戸弁・下町言葉の口調の書き起
こした文体が、美濃部家の雰囲気をよく伝えています。
もう一人は、今夏まで寄席芸能情報誌『東京かわら版』の編集長を務めてい
た演芸研究家の大友浩で、最新刊「花は志ん朝」では、志ん朝の芸風を“フラ
ジャイル=割れもの、壊れやすいものの意”という新たな視点で論じており、
1978年に起こった落語協会の分裂騒動が、その後の志ん朝を方向付けたと推察
している点が興味深いところです。
また、上記二冊と同時に購入した小林信彦の「名人―志ん生、そして志ん朝」
で触れている、晩年に名古屋の大須演芸場で開催していた「志ん朝三夜連続独
演会」の様子を読むにつけ、本格的な寄席で志ん朝を観たかったと思うことし
きりです。
高座の噺は一回きりのもので、録音や本に記録を残さないという信念の持ち
主だったらしいのですが、唯一録音を許されたソニー・ミュージックエンタテ
インメントの京須偕充(*6)が、残された音源を基に編纂した「志ん朝の落語」
(全6巻ちくま文庫)が、今秋から刊行開始されています。
叶わなかった夢を、残されたCD音源を聴きながら、筆記本の活字を追ってみ
ることにしたいと思っています。
(袴)
参考文献:『東京人』2001年11月号「特集:落語いいねぇ!」
『東京人』2003年12月号「特集:志ん生・馬生・志ん朝」
「三人噺―志ん生・馬生・志ん朝」美濃部美津子著 扶桑社
「花は志ん朝」大友浩著 ぴあ
「名人―志ん生、そして志ん朝」小林信彦著 朝日新聞社
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*1 古今亭 志ん朝(ココンテイ,シンチョウ)
落語家
昭和13年 東京・駒込生まれ
昭和32年父である5代目古今亭志ん生に入門し、朝太の名で初高座。37年24歳
という異例の早さで真打ちになり、2代目志ん朝を襲名。平成13年10月1日没。
*2 林家 こぶ平(ハヤシヤ,コブヘイ)
落語家
昭和37年 東京・根岸生まれ
祖父が七代目林家正蔵、父が林家三平という親子三代の落語家。昭和56年5月
二ツ目を経て、62年5月真打ちに昇進。
*3 美濃部 美津子(ミノベ,ミツコ)
大正13年 東京生まれ
5代目古今亭志ん生の長女として生まれる。貯金局勤務を経て、昭和29年ニッ
ポン放送に勤務。
*4 大友 浩(オオトモ,ヒロシ)
演芸研究家
昭和33年 東京・深川生まれ
数種の雑誌、新聞の編集を経て、平成3年から寄席芸能情報誌「東京かわら版」
編集長。15年8月からフリーの演芸研究家・文筆家。
*5 小林 信彦(コバヤシ,ノブヒコ)
作家
昭和7年 東京・東日本橋生まれ
昭和34年から「ヒッチコック・マガジン」の編集に当たる。39年初の長編小説
「虚栄の市」を発表。その後「紳士同盟」「オヨヨ大統領シリーズ」「唐獅子
シリーズ」などがベストセラーになる。
*6 京須 偕充(キョウス,トモミツ)
レコーディングプロデューサー
CBSソニー第1AV事業部制作3部課長、A&R第5部次長を経て、ソニー・ミュー
ジックエンタテインメント・チーフプロデュサー。
■ ハカマダ芸能研究所(第4回)-志ん朝を本格寄席で観たかった! -
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古今亭志ん朝(*1)が亡くなってから、早くも2年の月日が経ちました。現在
発売中の『東京人』12月号(11月1日発売)には「特集:志ん生・馬生・志ん
朝―落語に生きた親子三名人」が掲載されています。同誌では、2年前にも落
語の特集を組んでいて、2001年11月号(同年10月1日発売)では「特集:落語い
いねぇ!」に林家こぶ平(*2)との対談「親父は親父、芸は一代」が掲載されて
いて、今になって振り返ると、その号の発売当日が志ん朝の命日になってしま
ったというのも、何やら因縁めいた話です。
志ん朝の高座は、1980年代後半に安田生命ホールやイイノホールなど、いわ
ゆるホール寄席(柳家小三治との二人会が多かったと思う)を観たっきりで、
本格的な寄席で志ん朝を観る機会は、とうとう逃してしまったのが悔やまれま
す。
さて、三回忌を過ぎた頃から、急に晩年の志ん朝について知りたくなり、「W
ebWHO」で検索してみたところ、2人の人物がヒットしたので、それぞれ
の著書をさっそく読んでみました。
キーワード [古今亭志ん朝 志ん朝] いずれかを含む
AND [現存者]
一人は志ん朝の実姉・美濃部美津子(*3)で、昨年の一周忌の頃に出版された
「三人噺―志ん生・馬生・志ん朝」では、父・志ん生、弟・(金原亭)馬生、志ん
朝についての想い出話を語っており、独特の江戸弁・下町言葉の口調の書き起
こした文体が、美濃部家の雰囲気をよく伝えています。
もう一人は、今夏まで寄席芸能情報誌『東京かわら版』の編集長を務めてい
た演芸研究家の大友浩で、最新刊「花は志ん朝」では、志ん朝の芸風を“フラ
ジャイル=割れもの、壊れやすいものの意”という新たな視点で論じており、
1978年に起こった落語協会の分裂騒動が、その後の志ん朝を方向付けたと推察
している点が興味深いところです。
また、上記二冊と同時に購入した小林信彦の「名人―志ん生、そして志ん朝」
で触れている、晩年に名古屋の大須演芸場で開催していた「志ん朝三夜連続独
演会」の様子を読むにつけ、本格的な寄席で志ん朝を観たかったと思うことし
きりです。
高座の噺は一回きりのもので、録音や本に記録を残さないという信念の持ち
主だったらしいのですが、唯一録音を許されたソニー・ミュージックエンタテ
インメントの京須偕充(*6)が、残された音源を基に編纂した「志ん朝の落語」
(全6巻ちくま文庫)が、今秋から刊行開始されています。
叶わなかった夢を、残されたCD音源を聴きながら、筆記本の活字を追ってみ
ることにしたいと思っています。
(袴)
参考文献:『東京人』2001年11月号「特集:落語いいねぇ!」
『東京人』2003年12月号「特集:志ん生・馬生・志ん朝」
「三人噺―志ん生・馬生・志ん朝」美濃部美津子著 扶桑社
「花は志ん朝」大友浩著 ぴあ
「名人―志ん生、そして志ん朝」小林信彦著 朝日新聞社
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*1 古今亭 志ん朝(ココンテイ,シンチョウ)
落語家
昭和13年 東京・駒込生まれ
昭和32年父である5代目古今亭志ん生に入門し、朝太の名で初高座。37年24歳
という異例の早さで真打ちになり、2代目志ん朝を襲名。平成13年10月1日没。
*2 林家 こぶ平(ハヤシヤ,コブヘイ)
落語家
昭和37年 東京・根岸生まれ
祖父が七代目林家正蔵、父が林家三平という親子三代の落語家。昭和56年5月
二ツ目を経て、62年5月真打ちに昇進。
*3 美濃部 美津子(ミノベ,ミツコ)
大正13年 東京生まれ
5代目古今亭志ん生の長女として生まれる。貯金局勤務を経て、昭和29年ニッ
ポン放送に勤務。
*4 大友 浩(オオトモ,ヒロシ)
演芸研究家
昭和33年 東京・深川生まれ
数種の雑誌、新聞の編集を経て、平成3年から寄席芸能情報誌「東京かわら版」
編集長。15年8月からフリーの演芸研究家・文筆家。
*5 小林 信彦(コバヤシ,ノブヒコ)
作家
昭和7年 東京・東日本橋生まれ
昭和34年から「ヒッチコック・マガジン」の編集に当たる。39年初の長編小説
「虚栄の市」を発表。その後「紳士同盟」「オヨヨ大統領シリーズ」「唐獅子
シリーズ」などがベストセラーになる。
*6 京須 偕充(キョウス,トモミツ)
レコーディングプロデューサー
CBSソニー第1AV事業部制作3部課長、A&R第5部次長を経て、ソニー・ミュー
ジックエンタテインメント・チーフプロデュサー。
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