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■ ハカマダ芸能研究所(第6回)
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<本文中(*)のついた人名は記事の終わりにプロフィールを掲載しています>
◎ 今回のターゲットは、ギタリスト・押尾コータロー。
今週の火曜日、「押尾コータロー & 小沼ようすけ ― Special Guitar
Live―」(グリーンホール相模大野)(*1)(*2)を観て来ました。
かたや演歌の流しからオーケストラ曲までギター1本で表現するインスト
ゥルメンタル界の鬼才、かたやジャズギター界では久々の若手ホープによる
ジョイントライブということで、平日夜にも関わらず満席に近い客の入りで
した。
ジャズギターに関しては、1980年代のフュージョンブーム以降に「ひょうき
ん族」で浦辺粂子(*3)のモノマネをしていた高中正義(*4)や、ハーモニカの
名手としても知られているトゥーツ・シールマンス(*5)の来日ライブを観て
いた程度なので、小沼くんの即興演奏(インプロヴィゼーションと呼ぶ)を
堪能できたとは言いがたいのが正直な感想でした。
一方の押尾くんは、「題名のない音楽会21」で津軽三味線の上妻宏光(*6)
と共演したり、つい先週もNHK「金曜オンステージ」では渡辺香津美(*7)+
憂歌団の内田勘太郎(*8)+五木ひろしという珍しい顔合わせで演奏していた
ので、一般的にも知られるギタリストになりつつあります。
◎ 押尾コータローは、ギタリストにあらず、ギター漫談家なり。
しかし、テレビで観ていただけではわからなかった押尾くんの一面が、今
回のライブで初めてわかりました。彼はギター漫談家だったのです。(笑)
ギター漫談というと古くは玉川カルテット(*9)やモダンカンカン(*10)とい
った“ボーイズもの”とか、「なんでかフラメンコ」の堺すすむ(*11)、「な
んでだろう」のテツandトモ(*12)のようなお笑い芸人を思い起こしますが、
押尾くんの場合は関西弁の話芸はもちろんのこと、演奏だけで笑わせること
ができる“漫談ギタリスト”なのです。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎のテーマ」の演奏ではメロディだけでなく曲中の
擬音まで表現したり、“メンバー紹介”と称してエレキギターの音はディー
プパープル風に(*13)、フォークギターの音はアリス風に...と演奏し、パー
カッションの音はギターを打楽器のように叩きまくっていました。
圧巻だったのはM.ラヴェル(*14)の「ボレロ」。この壮大な曲を、指が何本
あるのかわからないぐらいのテクニックを駆使して聴かせてくれました。
小沼くんとのセッションコーナーでは、チック・コリア(*15)の名曲「スペイ
ン」を演奏しましたが、ソロ部分ではレッド・ツェッペリン(*16)の「天国へ
の階段」の一節を挟むなど、どこかで笑いを取ろうする姿勢は、やはり漫談家
の精神が活きている証ではないでしょうか。
押尾くんの演奏を聴いたことが無いと言う方は、大阪MBSラジオのレギュラー
番組のホームページにカバー曲が毎週1曲聴けるコーナーがあるので、ぜひ一
聴を。
参考URL :「押尾コータロー公式ホームページ」
http://www.toshiba-emi.co.jp/oshio/
MBSラジオ「押尾コータローの押しても弾いても」
http://mbs1179.com/oshio/
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*1 押尾コータロー (オシオ, コータロー)
ミュージシャン 昭和43年 大阪生まれ
14 歳からギターを始め、20歳の時に上京して音楽理論などを勉強。1人
でピアノ、ベース、ドラムなどのパートを演奏する独自のギター奏法を
完成させる。平成11年アルバム「押尾コータロー」でソロデビュー。
*2 小沼ようすけ (オヌマ, ヨウスケ)
ジャズギタリスト 昭和49年 秋田県生まれ
父親の影響により14才からギターを始め、ロックバンドを組みライブハ
ウスで活動。その後友人の影響で、ジョージ・ベンソン、ダニー・ハザ
ウェイ、グラント・グリーンなどに感銘を受けてジャズギターの道に進
む。数々のコンテストに入賞し、ジャズクラブ等を中心に活動。平成13
年アルバム「nu jazz(ニュー・ジャズ)」でメジャーデビュー。
*3 浦辺 粂子 (ウラベ, クメコ)
女優 明治35年 静岡県生まれ 平成元年没
大正12年旧劇女優としてデビュー。30代からはフケ役に徹し、わき役と
して名演技を見せた。晩年はテレビのバラエティ番組に多く出演した。
*4 高中 正義 (タカナカ, マサヨシ)
ギタリスト 昭和28年 東京都生まれ
中学1年からギターを始め、高校時代には早くも"10代の天才ギタリスト"
の異名を取る。サディスティック・ミカ・バンドからサディスティック
スを経て、インストゥルメンタルのギター音楽でトップ・ギタリストと
しての地位を確立する。
*5 トゥーツ・シールマンス
ジャズハーモニカ奏者;ギタリスト 1922年 ベルギー生まれ
ジャズギターを学んだのち、17歳の時映画のワンシーンでバックにハー
モニカが流れていたのに感動を覚え、以来ハーモニカの道へ。ハーモニ
カをソロ楽器として確立させた異色のジャズミュージシャンで、「セサ
ミ・ストリート」のテーマ曲の作曲家としても知られる。
*6 上妻 宏光 (アガツマ, ヒロミツ)
津軽三味線奏者 昭和48年 茨城県生まれ
6 歳より津軽三味線を始め、平成7、8年青森県の津軽三味線全国大会で
連続優勝。13年「AGATSUMA」でメジャーデビュー。
*7 渡辺 香津美 (ワタナベ, カズミ)
ジャズ・ギタリスト;洗足学園大学ジャズコース客員教授 昭和28年
東京都生まれ
高校に入った頃ジャズに開眼。昭和46年「インフィニット」を出し、天
才ギタリストの出現と注目される。ジャズ・フュージョン・ギターの第
一人者といわれる。
*8 内田 勘太郎 (ウチダ, カンタロウ)
ギタリスト 昭和29年 大阪生まれ
昭和45年憂歌団を結成。50年シングル「おそうじオバチャン」でデビュ
ー。以後、大阪を拠点にブルース一筋。
*9 玉川カルテット:玉川 平助 (タマガワ, ヘイスケ)
浪曲漫談師
昭和45年に松浦武夫らと4人で玉川カルテットを結成。平成8年6月から
リーダーを務める。
*10 モダンカンカン: 灘 康次 (ナダ, コウジ)
歌謡漫談家;ボーイズバラエティ協会会長 昭和4年生 東京生まれ
川田晴久とダイナブラザースの一員となる。のちモダンカンカンを結成。
*11 堺 すすむ (サカイ, ススム)
コメディアン;タレント 昭和17年 大阪生まれ
19歳の時、漫談と歌まねでデビュー。昭和42年上京。フランク永井のも
のまねで好評を得る。61年ジョーク集「なんでかフラメンコ」を出版、
レコード化してヒットさせる。
*12 テツ and トモ
コメディアン テツ= 昭和45年 滋賀県生まれ、トモ=昭和45年 山形
県生まれ
平成10年"テツandトモ"を組み、テレビ「笑わせろ」でデビュー。15年
NHK「紅白歌合戦」に初出場。"なんでだろう"が流行語大賞に選ばれる。
*13 ディープ・パープル:リッチー・ブラックモア
ギタリスト 1945年 英国生まれ
15歳で学校を辞め、音楽活動に入る。1968年ジョン・ロードらとディー
プ・パープルを結成。ロックとクラシックの融合など新しい試みや、過
激なライブ・パフォーマンスで話題を呼ぶ。
*14 モーリス・ラヴェル
作曲家 1875年 フランス生まれ 1937年没
1887年パリ音楽院に入学。ドビュッシーやサティの新しい音楽に影響さ
れた作品を在学中から発表。バレエ曲「ダフニスとクロエ」で名声を確
立。
*15 チック・コリア
ジャズピアニスト 1941年 米国生まれ
6歳の頃からピアノ、8歳からドラムを始めた。モンゴ・サンタマリア、
ウィリー・ボボ、ブルー・ミッチェル、ハービー・マンらのバンドで活
躍。1968~70年マイルス・デービス・バンドに参加。1972年リターン・
フォーエバー(RTF)を結成、ジャズフュージョン・グループとして70年代
を象徴するコンボとなる。
*16 レッド・ツェッペリン:ジミー・ペイジ
ロック歌手;ギタリスト 1944年 英国生まれ
10代の頃からスタジオ・ミュージシャンとして活躍。ヤードバーズを経
て、1968年レッド・ツェッペリンを結成。「天国への階段」などのロック
・スタンダード・ナンバーを生み、"世界3大ギタリスト"の一人と称せら
れる。
(袴)
■ ハカマダ芸能研究所(第6回)
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<本文中(*)のついた人名は記事の終わりにプロフィールを掲載しています>
◎ 今回のターゲットは、ギタリスト・押尾コータロー。
今週の火曜日、「押尾コータロー & 小沼ようすけ ― Special Guitar
Live―」(グリーンホール相模大野)(*1)(*2)を観て来ました。
かたや演歌の流しからオーケストラ曲までギター1本で表現するインスト
ゥルメンタル界の鬼才、かたやジャズギター界では久々の若手ホープによる
ジョイントライブということで、平日夜にも関わらず満席に近い客の入りで
した。
ジャズギターに関しては、1980年代のフュージョンブーム以降に「ひょうき
ん族」で浦辺粂子(*3)のモノマネをしていた高中正義(*4)や、ハーモニカの
名手としても知られているトゥーツ・シールマンス(*5)の来日ライブを観て
いた程度なので、小沼くんの即興演奏(インプロヴィゼーションと呼ぶ)を
堪能できたとは言いがたいのが正直な感想でした。
一方の押尾くんは、「題名のない音楽会21」で津軽三味線の上妻宏光(*6)
と共演したり、つい先週もNHK「金曜オンステージ」では渡辺香津美(*7)+
憂歌団の内田勘太郎(*8)+五木ひろしという珍しい顔合わせで演奏していた
ので、一般的にも知られるギタリストになりつつあります。
◎ 押尾コータローは、ギタリストにあらず、ギター漫談家なり。
しかし、テレビで観ていただけではわからなかった押尾くんの一面が、今
回のライブで初めてわかりました。彼はギター漫談家だったのです。(笑)
ギター漫談というと古くは玉川カルテット(*9)やモダンカンカン(*10)とい
った“ボーイズもの”とか、「なんでかフラメンコ」の堺すすむ(*11)、「な
んでだろう」のテツandトモ(*12)のようなお笑い芸人を思い起こしますが、
押尾くんの場合は関西弁の話芸はもちろんのこと、演奏だけで笑わせること
ができる“漫談ギタリスト”なのです。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎のテーマ」の演奏ではメロディだけでなく曲中の
擬音まで表現したり、“メンバー紹介”と称してエレキギターの音はディー
プパープル風に(*13)、フォークギターの音はアリス風に...と演奏し、パー
カッションの音はギターを打楽器のように叩きまくっていました。
圧巻だったのはM.ラヴェル(*14)の「ボレロ」。この壮大な曲を、指が何本
あるのかわからないぐらいのテクニックを駆使して聴かせてくれました。
小沼くんとのセッションコーナーでは、チック・コリア(*15)の名曲「スペイ
ン」を演奏しましたが、ソロ部分ではレッド・ツェッペリン(*16)の「天国へ
の階段」の一節を挟むなど、どこかで笑いを取ろうする姿勢は、やはり漫談家
の精神が活きている証ではないでしょうか。
押尾くんの演奏を聴いたことが無いと言う方は、大阪MBSラジオのレギュラー
番組のホームページにカバー曲が毎週1曲聴けるコーナーがあるので、ぜひ一
聴を。
参考URL :「押尾コータロー公式ホームページ」
http://www.toshiba-emi.co.jp/oshio/
MBSラジオ「押尾コータローの押しても弾いても」
http://mbs1179.com/oshio/
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*1 押尾コータロー (オシオ, コータロー)
ミュージシャン 昭和43年 大阪生まれ
14 歳からギターを始め、20歳の時に上京して音楽理論などを勉強。1人
でピアノ、ベース、ドラムなどのパートを演奏する独自のギター奏法を
完成させる。平成11年アルバム「押尾コータロー」でソロデビュー。
*2 小沼ようすけ (オヌマ, ヨウスケ)
ジャズギタリスト 昭和49年 秋田県生まれ
父親の影響により14才からギターを始め、ロックバンドを組みライブハ
ウスで活動。その後友人の影響で、ジョージ・ベンソン、ダニー・ハザ
ウェイ、グラント・グリーンなどに感銘を受けてジャズギターの道に進
む。数々のコンテストに入賞し、ジャズクラブ等を中心に活動。平成13
年アルバム「nu jazz(ニュー・ジャズ)」でメジャーデビュー。
*3 浦辺 粂子 (ウラベ, クメコ)
女優 明治35年 静岡県生まれ 平成元年没
大正12年旧劇女優としてデビュー。30代からはフケ役に徹し、わき役と
して名演技を見せた。晩年はテレビのバラエティ番組に多く出演した。
*4 高中 正義 (タカナカ, マサヨシ)
ギタリスト 昭和28年 東京都生まれ
中学1年からギターを始め、高校時代には早くも"10代の天才ギタリスト"
の異名を取る。サディスティック・ミカ・バンドからサディスティック
スを経て、インストゥルメンタルのギター音楽でトップ・ギタリストと
しての地位を確立する。
*5 トゥーツ・シールマンス
ジャズハーモニカ奏者;ギタリスト 1922年 ベルギー生まれ
ジャズギターを学んだのち、17歳の時映画のワンシーンでバックにハー
モニカが流れていたのに感動を覚え、以来ハーモニカの道へ。ハーモニ
カをソロ楽器として確立させた異色のジャズミュージシャンで、「セサ
ミ・ストリート」のテーマ曲の作曲家としても知られる。
*6 上妻 宏光 (アガツマ, ヒロミツ)
津軽三味線奏者 昭和48年 茨城県生まれ
6 歳より津軽三味線を始め、平成7、8年青森県の津軽三味線全国大会で
連続優勝。13年「AGATSUMA」でメジャーデビュー。
*7 渡辺 香津美 (ワタナベ, カズミ)
ジャズ・ギタリスト;洗足学園大学ジャズコース客員教授 昭和28年
東京都生まれ
高校に入った頃ジャズに開眼。昭和46年「インフィニット」を出し、天
才ギタリストの出現と注目される。ジャズ・フュージョン・ギターの第
一人者といわれる。
*8 内田 勘太郎 (ウチダ, カンタロウ)
ギタリスト 昭和29年 大阪生まれ
昭和45年憂歌団を結成。50年シングル「おそうじオバチャン」でデビュ
ー。以後、大阪を拠点にブルース一筋。
*9 玉川カルテット:玉川 平助 (タマガワ, ヘイスケ)
浪曲漫談師
昭和45年に松浦武夫らと4人で玉川カルテットを結成。平成8年6月から
リーダーを務める。
*10 モダンカンカン: 灘 康次 (ナダ, コウジ)
歌謡漫談家;ボーイズバラエティ協会会長 昭和4年生 東京生まれ
川田晴久とダイナブラザースの一員となる。のちモダンカンカンを結成。
*11 堺 すすむ (サカイ, ススム)
コメディアン;タレント 昭和17年 大阪生まれ
19歳の時、漫談と歌まねでデビュー。昭和42年上京。フランク永井のも
のまねで好評を得る。61年ジョーク集「なんでかフラメンコ」を出版、
レコード化してヒットさせる。
*12 テツ and トモ
コメディアン テツ= 昭和45年 滋賀県生まれ、トモ=昭和45年 山形
県生まれ
平成10年"テツandトモ"を組み、テレビ「笑わせろ」でデビュー。15年
NHK「紅白歌合戦」に初出場。"なんでだろう"が流行語大賞に選ばれる。
*13 ディープ・パープル:リッチー・ブラックモア
ギタリスト 1945年 英国生まれ
15歳で学校を辞め、音楽活動に入る。1968年ジョン・ロードらとディー
プ・パープルを結成。ロックとクラシックの融合など新しい試みや、過
激なライブ・パフォーマンスで話題を呼ぶ。
*14 モーリス・ラヴェル
作曲家 1875年 フランス生まれ 1937年没
1887年パリ音楽院に入学。ドビュッシーやサティの新しい音楽に影響さ
れた作品を在学中から発表。バレエ曲「ダフニスとクロエ」で名声を確
立。
*15 チック・コリア
ジャズピアニスト 1941年 米国生まれ
6歳の頃からピアノ、8歳からドラムを始めた。モンゴ・サンタマリア、
ウィリー・ボボ、ブルー・ミッチェル、ハービー・マンらのバンドで活
躍。1968~70年マイルス・デービス・バンドに参加。1972年リターン・
フォーエバー(RTF)を結成、ジャズフュージョン・グループとして70年代
を象徴するコンボとなる。
*16 レッド・ツェッペリン:ジミー・ペイジ
ロック歌手;ギタリスト 1944年 英国生まれ
10代の頃からスタジオ・ミュージシャンとして活躍。ヤードバーズを経
て、1968年レッド・ツェッペリンを結成。「天国への階段」などのロック
・スタンダード・ナンバーを生み、"世界3大ギタリスト"の一人と称せら
れる。
(袴)
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